7月28日、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ第2戦/GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第7戦として開催されている、第74回『トタルエナジーズ・スパ24時間』の予選がベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われ、アイアン・リンクスの71号車フェラーリ488 GT3エボが最速タイムをマーク。姉妹車51号車が続き、フェラーリ勢がワン・ツーで、金曜日に実施されるスーパーポール進出を決めた。
アントニオ・フォコ、ダニエル・セラ、ダビデ・リゴンの3名は、各15分間の4つのセッションのうちの3つでそれぞれアタックを行い、平均タイムで最速となる2分16秒920を記録した。これは予選2番手につけた僚友ミゲル・モリーナ/ジェームズ・カラード/ニクラス・ニールセン組71号車よりも0.178秒速いものだった。
71号車フェラーリの最初のアタッカーとしてQ2に登場したフォコは、同セッションでファステストタイムをマークした。一方、Q3に臨んだセラとQ4でアタックしたリゴンはそれぞれ51号車のクルーのタイムに届かなかったものの、71号車はフォコが築いた“貯金”を守りきり、最終的に予選首位を維持している。
フェラーリ勢に続いたのは、ジョーダン・ペッパー/アンドレア・カルダレッリ/マルコ・マペッリ組の6号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(オレンジ1・KPAXレーシング)。3名の平均タイムは2分17秒237だった。
この後方ではアウディ勢が暫定トップ5入りを果たし、アウディスポーツ・チーム・トレゾアの12号車アウディR8 LMSエボIIが4番手、現王者アウディスポーツ・チームWRTの32号車アウディR8 LMSエボIIが5番手となっている。
予選ベスト20台が選出されるスーパーポールを逃した主なエントリーには、KCMGとEMAモータースポーツのポルシェ911 GT3 R、アストンマーティン・バンテージGT3を走らせるザ・ハート・オブ・レーシング、JOTAのマクラーレン720S GT3、バレンティーノ・ロッシを擁するチームWRTの46号車アウディなどが挙げられる。
このうちKCMGの64号車ポルシェは、ニック・タンディが担当したQ3でラ・ソース進入時にブレーキトラブルが発生。この影響でふたつのセッションでタイムを記録できなかっため、66台のグリッドの最後尾から決勝レースをスタートすることになる。
■復刻版マルティニカラーのGPXポルシェはSP進出
デイトナ24時間のウイナーであるフェリペ・ナッセ/マット・キャンベル/マシュージャミネ組EMAポルシェは予選22位で惜しくも脱落。ひとつ前の順位につけたローヴェ・レーシングの50号車BMW M4 GT3も、この段階でグリッドが決まっている。
一方、姉妹車の98号車BMWは、アウディスポーツ・チーム・アテンプトや、ファクトリーサポートを受けるゲットスピード・パフォーマンス、アコーディスASP、グループM・レーシングのメルセデスAMG勢を抑えて予選6番手に入った。
スーパーポールでポルシェを代表するのは、今戦に向けてカラーリングを変更したダイナミック・モータースポーツの54号車と、14番手につけたトクスポーツWRTの100号車、暫定19番手となった2019年のウイナーGPXマルティニ・レーシングの221号車だ。
この他、アストンマーチンではビーチディーンAMRの95号車バンテージGT3が暫定13番手でスーパーポール進出を決め、ランボルギーニチームのエミル・フレイ・レーシングは、プロカーの19号車とシルバーカップエントリーの14号車の2台を合計20台で争われる金曜のシュートアウトに送り込む。
そのスーパーポールは29日(金)現地19時(日本時間30日2時)から開始される予定だ。
なお、日本勢は根本悠生組563号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(VSR)が総合36番手/シルバーカップ8番手。富田竜一郎組33号車アウディR8 LMSエボII(チームWRT)は総合44番手/ゴールドカップ8番手で予選を終えている。