パドック裏話:改革の陣頭指揮をとるFIA会長にチームは冷ややか

 F1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。第13戦ハンガリーGP編です。

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 多くの人がご存知のことと思うが、モハメド・ベン・スレイエムはかつてレーシングドライバーだった。より正確に言うなら、かなり高いレベルで戦っていた元ラリードライバーであり、彼はそれを自慢にしている。

 現FIA会長のスレイエムは、会長選挙でもそうしたバックグラウンドを全面に打ち出し、それゆえにレーシングドライバーとレースを深く理解していると主張した。その後、昨年のアブダビでの出来事への対処にあたっても、ベン・スレイエムは自身が元ドライバーであるという事実に繰り返し言及している。

 実際、あの一件の余波は大きく、たとえばレースコントロールのあり方の見直しや、ふたりの新たなレースディレクターの任命など、FIA内部でも重大な変革があった。

ウォールに大クラッシュも4位入賞。アキュラARX-05の耐久性をオリバー・ジャービスが賞賛/IMSA

 ロード・アメリカで8月7日に行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第10戦『IMSAファストレーン・スポーツカー・ウイークエンド』の決勝終盤、順位争いのなかでコース脇のウォールにノーズからハードヒットしたメイヤー・シャンク・レーシングのオリバー・ジャービスは、ダメージを負ったマシンで4位フィニッシュを果たしたあと、アキュラARX-05の耐久性を賞賛した。また、ライバル陣営からも、アクシデント後も走行を続けたマシンに驚きの声が上がっている。

リカルド、最も過小評価されているF1ドライバーとしてガスリーを挙げる「みんなが見捨てても彼は強くなって戻ってきた」

 マクラーレンのダニエル・リカルドの意見によると、F1でのキャリアを通して示してきた気質とスキルを考慮すると、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)はF1で最も過小評価されているドライバーだと言えるという。

 ガスリーのF1における経歴はこれまでのところ、2019年にトロロッソ(現アルファタウリ)からレッドブル・レーシングへ昇格した時と、同じ年の後半にトロロッソに降格された時のふたつの部分に分かれている。レッドブルで最も優れた可能性の持ち主と称されていたガスリーは、レッドブルにいた2019年の半年の間にマックス・フェルスタッペンのレベルに近づくことができなかった。その後ガスリーは、アレクサンダー・アルボンと交代させられた。アルボンはガスリーより長い期間レッドブルにいたが、最終的に彼もチーム上層部を感心させることはできなかった。

BMWのLMDh車両、バルセロナとアラゴンで走行後に渡米。セブリングでの24時間テストに参加へ

 BMWが開発中のLMDh車両『BMW M ハイブリッド V8』は、2023年にIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスに、そして2024年にはWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスへと参戦する。

 2023年1月、IMSA開幕戦デイトナ24時間レースでのデビューへ向け、7月にはシャシーパートナーであるダラーラ社があるイタリア・バラーノでシェイクダウンを行ったことを明らかにしているが、陣営はこのあと、スペインのバルセロナ・カタルーニャサーキットと、モーターランド・アラゴンでテスト走行を行い、その後M ハイブリッドV8を米国へと送り込む予定だという。

シューマッハーはサマーブレイク前の契約締結を望むも、ハースF1は決断を急いでいないとドイツメディアが報道

 報道によるとハースF1チームは、ミック・シューマッハーとの契約更新を行うか否かについて、3年目のシーズンとなる2023年に向けた意志決定を遅らせているという。

 ドイツの放送局『RTL』によると、シューマッハーはサマーブレイク前に交渉を実質的に終わらせることを望んでいた。しかしチームの経営陣は話し合いを中断することを決定したとのことで、「シューマッハーは、ハースF1チームとの新契約をサマーブレイク中に締結することはないようだ。チーム代表のギュンター・シュタイナーは、彼の契約更新の交渉をもはや急いでいない」と報じられた。