イタリアン・スター候補対決を制した、地元出身ダミアーノ・デ・トマソが初優勝/ERC第6戦

 7月23~24日にイタリアの首都で開催された猛暑のターマック(舗装路)イベント、2022年ERCヨーロッパ・ラリー選手権第6戦『ラリー・デ・ローマ・キャピタル』は、地元出身スペシャリストたちの饗宴を制したダミアーノ・デ・トマソ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)がシリーズ初優勝を飾った。週末を支配したアンドレア・クルグニョーラ(シトロエンC3ラリー2)は、残り2SSでスロットル不調に見舞われ失意の5位に終わっている。

 前戦リエパヤ勝者のマルティン・セスク(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)が、引き続きチームMRFタイヤのシートを確保し、ERCで2冠を誇る大ベテランのジャンドメニコ・バッソ(ヒョンデi20 Nラリー2)や、シモン・カンペデッリ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)らイタリア出身の実力派ドライバーが顔を揃えた首都ローマ決戦。

新型ファビアに改良版フィエスタも登場。熾烈なWRC2で使われるラリー2マシン【WRC Topic】

 局地的な降雨に見舞われたWRC世界ラリー選手権第7戦『ラリー・エストニア』の最終パワーステージ、SS24の途中まで最速だったのは、アンドレアス・ミケルセン駆るシュコダ・ファビア・ラリー2エボだった。天候と路面コンディションが味方したとはいえ、パワーで勝るラリー1ハイブリッド勢を上まわるタイムを刻んだのだ。

 最終的にはトヨタGRヤリス・ラリー1のカッレ・ロバンペラとエルフィン・エバンスにタイムを更新され3番手タイムだったが、彼らふたり以外のラリー1勢よりは速かった。フォーミュラでいえば、F2がF1より速く走ったようなものである。

「いくつ違いが分かる?」トヨタGRヤリス“サファリ・ラリー仕様”【WRC Topic】

 さあ、ここで問題です。今季デビューしたトヨタGRヤリス・ラリー1のサファリ仕様は、前戦サルディニア(イタリア)仕様とどこが違うでしょう? 30秒以内にお答えください……。

 もし、この超難問クイズに答えられたなら、あなたは真のGRヤリス・ラリー1ファンに違いない! その昔、サファリ・ラリー仕様といえば川を渡ってもエンジンが水を吸い込まないようにするための“シュノーケル”、万が一動物たちがぶつかってもクルマが壊れないようにするための“アニマルガード”、そして観客や動物に注意を喚起するための“ウイングライト”といった装備がマストだった。自分も含めたオジサンやオバサマたちは、そのカッコよさにしびれ、「自分のクルマもいつかサファリ仕様にしたい」と夢見ていたものだ!?

今季2勝のニル・ソランスは失意のコースオフ、地元ミコ・マルチェクがERC初優勝/ERC第4戦

 早くもシーズン折り返しを迎えた2022年のERCヨーロッパ・ラリー選手権第4戦、ラリー・ポーランドが6月10~12日の週末に開催され、今季2勝を飾っている“苦労人”ニル・ソランス(ヒョンデi20 Nラリー2)が悲運のアクシデントで戦列を去り、その対抗馬としてラリーを戦った地元出身のミコ・マルチェク(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)がシリーズ初優勝を飾っている。

 同国北部ミコワイキを中心としたグラベルステージが舞台となる1戦を前に、資金難で第2戦をスキップしていたソランスは、前戦での勝利を受け「サポートを見つけることができるかどうか。今後も努力を続けていく」との言葉を残していた。