WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、7月14日から17日にかけて、エストニアで開催される2022年シーズン第7戦『ラリー・エストニア』に3台のトヨタGRヤリス・ラリー1を投入する。今季デビューしたラリー1カーに乗りこむのは、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組の3組だ。また、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションからは勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が引き続き最高峰クラスに挑む。
前戦ケニアで歴史的な1-2-3-4フィニッシュを達成したトヨタは、シーズン折り返しの第7戦を前にした段階で、マニュファクチャラー選手権のリードを62ポイントに拡げた。
そんななか迎えるラリー・エストニアは、8月に開催予定の第8戦フィンランドと並んで“超高速グラベル(未舗装路)ラリー”に位置づけられている一戦だ。ステージは緩やかな高速コーナーが続き、アップダウンが激しく、ビッグジャンプも数多くある。このキャラクターはラリー・フィンランドとよく似ているが、路面は全体的にフィンランドよりも軟らかく、同じステージを2回目に走行する際は深い轍が刻まれる可能性がある。
今季すでに4勝を挙げ、ドライバー選手権を65ポイント差でリードしているロバンペラは、昨年の大会で史上最年少でWRC初優勝を達成。今大会は連覇が掛かる。チームメイトのエバンスも前戦ケニアで今シーズン2回目の2位表彰台を獲得するなど調子は上向きだ。
また、セバスチャン・オジエと3台目のGRヤリス・ラリー1をシェアしているラッピは、得意とする超高速グラベルイベントでシーズン2度目の表彰台を目指す。サファリで2年連続のポディウムフィニッシュを果たした勝田にもふたたびの表彰台獲得に期待したいところだ。
「前戦ケニアの結果は信じられないくらい素晴らしいものだったが、次のエストニアとフィンランドは、まったく異なるチャレンジになる」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。
「これまでは、クルマの信頼性を重視してきた。もちろんそれは今後も変わらないが、このようなスムーズな路面で行われる高速ラリーでは、トヨタGRヤリス・ラリー1のパフォーマンスを最大限引き出すことに注力しなければならない」
「また、それはドライバーについても同様だ。サファリ・ラリーのような路面がラフなイベントでは、どうしても少し余裕を持って走ることになるが、エストニアやフィンランドでは最初のステージをスタートする瞬間から攻めていかないと、大きくタイムを失ってしまう」
「そうするためにはクルマに自信を持つ必要があるが、事前のテストでのフィードバックは良かったので、エストニアでも好成績を狙って戦いたいと考えている」
過去2大会と同様に、エストニア第2の都市タルトゥのラーディ飛行場跡にサービスパークを構えるラリーは、14日(木)から17日(日)までの4日間にわたって競技が行われ、24本のステージ合計距離は313.84km。リエゾン(移動区間)を含めたラリーの総走行距離は1486.77kmとなる。