7月8日から10日にかけて、JRC全日本ラリー選手権第6戦『2022 ARKラリー・カムイ』が北海道虻田郡ニセコ町を中心に開催され、最高峰JN1クラスに2台のトヨタGRヤリスGR4ラリーを投入しているTOYOTA GAZOO Racingは、勝田範彦/木村裕介組が3位表彰台を獲得した。チームメイトの眞貝知志/安藤裕一組は総合7位完走となった。
今季開幕戦の新城から5戦連続で続いたターマック(舗装路)ラリーの連戦は前戦モントレーでひと区切りとなり、このラリー・カムイと次戦ラリー北海道の2戦はグラベル(未舗装路)での戦いとなる。
昨年、勝田がトヨタ移籍後初勝利を挙げたラリー・カムイに向け、チームは第5戦から約4週間のインターバルを利用しテストを実施。開催時期が夏場であることを踏まえた熱対策をはじめ、さまざまなアイテムの効果を調査するとともに、車両の軽量化と足まわりに変更を施すなど今大会に向けた準備を整えてきた。
迎えたラリーの初日、勝田はステージ2番手タイムを2度記録するなど順調な走りを披露する。とくに午後のループで行われたSSでは、多くの選手がコースに刻まれた轍(わだち)に苦戦するなか、ミスなく走行し首位から11.1秒差の総合3番手につけた。
翌日の競技最終日もステージ2番手タイムを2回記録するなど好走を見せた勝田は、順位を落とすことなく総合3位でフィニッシュしている。
「前戦でリタイアしてしまったこともあり、まずは完走できたことにホッとしています」と語るのは、2年連続で表彰台を獲得した勝田。
「今季初のグラベルラリーでしたが、エンジニアやメカニックが頑張ってくれたことで、あらためてトヨタGRヤリスGR4ラリーの進化を感じることができました。ただ、私自身がそれにドライビングで応えきれなかったことが、少し残念です」
「今回の3位表彰台はチーム全体が頑張ってきた結果で、感謝しています。次のラリー北海道は高速SS中心の難しい一戦です。昨年は勝利していますが、気を緩めることなく全力で挑みたいと考えています」
前戦モントレーでポディウムフィニッシュを果たした眞貝は、今戦では荒れた路面で慎重になりすぎたとコメント。総合7位でラリーを終えた後、次のように語った。
「サスペンション、ブレーキ、駆動系など、昨年の今頃とはまったく違うクルマと言えるほど、トヨタGRヤリスGR4ラリーは進化しています。自分自身の気づきや、エンジニアの皆さんからの提案で新しいアイデアを試し、グラベルラリーでも快適にドライブできたので、ステージによってはTOP6の選手の争いに食い込むこともできました」
「ただ、同じSSを2度走る場合など、荒れた道では慎重になりすぎてしまう傾向がありました。トップ6の選手たちは、荒れた路面でもタイムアップにつなげていく技術を持っています。その点が、ドライビングにおける今後の課題だと感じました」
グラベルラリー連戦の後半ラウンド、全日本ラリー第7戦『ラリー北海道』は9月9~11日、北海道帯広市を拠点に開催される。同イベントは3年ぶりに有観客で行われる予定だ。