WRC世界ラリー選手権のフライアウェイラウンドのひとつで、東アフリカのサバンナで戦いが繰り広げられる『サファリ・ラリー・ケニア』が、6月23日(木)から26日(日)にかけて2022年シーズン第6戦として開催される。昨年、19年ぶりにWRCイベントとして復活し、新生サファリ・ラリーとして2年目を迎える同ラウンドの開幕に先立ち、最高峰クラスを戦うMスポーツ・フォード、ヒョンデ、トヨタの3チームからドライバーたちの事前コメントが発表されている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●クレイグ・ブリーン(#42 フォード・プーマ・ラリー1)
「ケニアに行き、そこで大いなる冒険と思えるものに乗り出すことをとても楽しみにしている。僕にとっては新しい大陸を経験することになる。これまでアフリカに行ったことがないから、あらゆることを吸収するつもりだ」
「サファリ・ラリーは権威ある歴史的なイベントで、僕は子供の頃テレビで何度も見たことがあるから、どういうものかすべてを見るのが待ちきれないよ。クルー全員にとって大きな挑戦になるだろうが、僕たちは充分に準備を整えてきた。サルディニアは順調だったから、そのリズムのまま前に進み、今週もまた好結果を持ち帰りたいと思う」
●ガス・グリーンスミス(#44 フォード・プーマ・ラリー1)
「サファリ・ラリー・ケニアを楽しみにしている。1年のなかでもケニアに行って競うのは最高レベルの経験のひとつかもしれない。素晴らしく美しい場所だが、ステージはマシンにとって信じられないくらい過酷になることがある」
「1年のなかでも最大の挑戦だ。それに各ステージで全開で走ることができない唯一のラリーかもしれない。マシン消耗を管理しなければならないし、機械を労わらなければならない。大きな挑戦になるよ。昨年僕たちはここですごく速かったから、今年もチームとともに良い結果を出すことを願っている」
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)
「昨年はチームにとって素晴らしい結果が出た。とくに僕は自分たちの結果にとても満足だった。ケニアは他のラリーと全然違う。ペースがすべてではないし、とても荒れているからマシンを壊しやすい」
「ケニアは経験として本当に素晴らしいところだ。まったく異なる文化があるし、あそこにいる観客を見たらとてもうれしくなるだろう。昨年は多くの観客がいた。ナイロビでは首都を通り抜けるマシンを100万人の人たちが見ていたのを覚えている」
「このラリーには話題がたくさんあるよ。ステージに現れる野生動物は本当に印象的だし、走行中の経験をとても特別なものにしてくれる。道路の脇を見て、何も近づいていないことを確かめなければならないんだ!」
●セバスチャン・ローブ(#19 フォード・プーマ・ラリー1)
「ポルトガルで競争力を発揮できたのは良かったし、走行中の良好なフィーリングにも励まされた。ケニアはまったく違うものだが、僕たちがポルトガルで優位に立てていたことを頭にいれておくのはいいことだ。最近のケニアについては分からない。僕が見たのはオンボード映像だけだ。大きな石があって荒れているようだから、パンクが問題になりそうだね」
「ケニアはとても素晴らしいところだ。レッキの間、いたるところで野生動物に出会い、思い出がたくさんできるラリーだよ。僕が前回あそこで競技に出た時とは非常に異なるラリーになることはわかっている。よりWRC向けのラリーのようだし、その方が楽にやれるだろう。僕にとって今年出た他のラリーと比べて違うことは、ケニアではステージの経験がまったくないことだ。これまでの経験がないから、困難なものになるだろう」
■ヒョンデ・シェル・モビスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)
「ケニアは昨年が初めてだったが、素晴らしい思い出がある。本当に冒険だった。国や文化、美しい景色、そして野生動物を知ったんだ。でも残念ながらがっかりして去ることになった。小さなトラブルさえなければ、明らかに首位にいて、ラリーで容易く優勝できたはずだった」
「これは過酷なイベントだ。ハードにプッシュすることと、どこでスピードを落とすかということのバランスをしっかり見極める必要がある。天気も大きな要因になる。でもステージでは落ち着いていられるし、今年は反撃に出るよ。それこそ僕たちが楽しみにしていることだ」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)
「昨年のサファリ・ラリー・ケニアは信じられないような冒険だったが、同時に大きな挑戦でもあった。すごくきついイベントだろうと思っていたけれど、実際そうだった。道路は荒れていて、柔らかい砂があるような難しい地形だった。技術的にも大変だったが、今回もそれは同じだと予想している」
「いつものように、最優先事項はマシンを維持してフィニッシュすることだ。100%プッシュすることも可能だが、その過程でマシンにダメージを与えないように注意しなければならない。サルディニアでの勝利に重ねるように、ケニアでもまた好結果を残したいね」
●オリバー・ソルベルグ(#2 ヒョンデi20 Nラリー1)
「ケニアは本当に特別なラリーだから、すごくエキサイティングになるだろう。とてもきつくて過酷だろうね。でもあそこでヒュンダイi20 Nラリー1で競うのを楽しみにしている。あの国とファンたちは素晴らしいから、いつも楽しみにしている。たとえ2021年はうまくいかなかったとしてもね」
「でも今年は新しい可能性がある。僕たちはふたたびそれを目指すよ。昨年のイベントでは天気の影響が大きかったから、次の週末も同じかどうか様子を見る。影響がないとしても、大きな挑戦になると思うけれどね。目標は良いリズムをつかみ、マシンを良好な状態に保って、チームのために好結果を出すことだ」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「昨年の経験があるとはいえ、サファリ・ラリーのようなイベントは何が起きるか分からない。未知数な部分が多く、昨年もそうだったが、場所によってコンディションが大きく違う。ある区間は柔らかい砂地でしたし、ある区間は路面が硬く締まっていて、非常に荒れている区間もあった。ドライバーにとっても、クルマにとっても、そしてエンジニアにとっても大きな挑戦になる」
「ここまでのところトヨタGRヤリス・ラリー1のグラベルでのフィーリングはとても良く、速さもある。サファリに関してはセットアップの面で少し違うものが要求されるが、現在ののポジティブなフィーリングが保たれることを願っている」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「サファリ・ラリーも、きっと面白い戦いになると思う。前戦のサルディニアでは僕たちが望んでいたほど強さを発揮することができなかったが、ケニアではステージの出走順が一番手であってもサルディニアほどタイムを多く失うことはないと思うし、良い週末になるように頑張るよ」
「昨年のサファリは、全体的にはいいラリーだったが、金曜日の最後でスタックしてしまったのは少し不運だった。今年はそのようなことがないように、より良い方法で臨みたいと思っている。昨年は多くの非常に難しいコンディションに直面し、現代のラリーでは通常体験しないような出来事もあった。特別な場所であることは間違いないので、少し違うアプローチで臨む必要がある」
●セバスチャン・オジエ(#1 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「ケニアに戻るのが楽しみだ。昨年は本当に暖かい歓迎を受け、とても素晴らしい雰囲気だったし、他のラリーとは違う、特別な感覚だった。優勝できたのはオマケのようなものだったが、今年は、ステージ上で何が起きるのかを少し理解しているから、昨年と同じ結果を得ることができたら最高だ」
「このラリーは非常にタフな戦いになりえる。昨年はほぼ全員がどこかの時点で問題を抱えていたと思う。僕にしても、2分以上の遅れを挽回して勝つことができた。だから、絶対に最後まで諦めてはいけないラリーなんだ。今年はクルマがまだ新しいので、これまで以上にクレバーに戦わなくてはならないだろう」