6月25日、WRC世界ラリー選手権の2022年シーズン第6戦ケニアは競技3日目を迎え、同国のナイバシャを中心にSS8~13が行われた。TOYOTA GAZOO Racing WRTはカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合首位を堅守し、チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合2番手に。さらに、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから参戦の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が3番手、前日にパンクに見舞われ6番手に後退したセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組も総合4番手に順位を上げ、4台のトヨタGRヤリス・ラリー1がトップ4を占めた。
今季3戦目のグラベル(未舗装路)イベントとして行われている『サファリ・ラリー・ケニア』のデイ3は、SS合計距離150.88kmと今大会最長の1日。ナイバシャ湖近くのサービスパークを中心に、3本のグラベルステージを日中のサービスを挟んで各2回走行するかたちで進められた。
この日の天候は午前中こそ曇り時々晴れだったが、午後の最後の2本のステージでは強い雨が降り、その影響で路面コンディションはドライから泥で非常に滑りやすい状態に変わった。また、大きな水溜まりがいくつもできるなど、トリッキーなコンディションとなった。
デイ2で総合トップに立ったロバンペラは、そんなデイ3を一日を通して堅実な走りでまとめ、3本のセカンドベストタイムと1本のベストタイムを記録し首位をキープ。デイ2終了時点で14.6秒だったリードを40.3秒にまで拡げて最終日につなげている。
一方、前日は総合3番手となったエバンスは、今朝のオープニングステージでベストタイムを記録し、勝田を抜いて総合2番手に順位を上げる。このウェールズ人はSS8の再走ステージとなったSS11でもベストタイムを刻み、ロバンペラとの差を15.8秒に縮めた。
しかし、大雨に見舞われた最後の2本のステージで、フロントウインドウに付着した泥により視界が遮られたことでペースダウンを余儀なくされ、前述のとおり両名のギャップは約40秒に開いている。
デイ2でラリーをリードしながらも、最終ステージでのタイヤ交換により約2分のタイムロスで総合6番手に順位を下げていたオジエは、確実性の高い走りでステージを重ね、大雨により難しいコンディションとなったデイ3最終のSS13ではベストタイムを記録。ライバルの離脱もあり総合4番手まで順位を挽回してみせた。オジエと総合5番手のライバルとの間には8分21秒の大きなギャップがあり、チームはワン・ツー・スリー・フォー・フィニッシュを実現すべく、26日のラリー最終日に臨む。
「4台すべてがトップ4に入るというのは、本当にすごいことですし、素晴らしい1日になった」と語るのは、チームを率いるヤリ-マティ・ラトバラ代表。
「路面のコンディションは信じられないくらい悪く、ドライバーにとっては非常に困難な状況だった。このような難しいコンディションでドライバーたちが冷静さを保ち、クルマもとても良く走り、高い信頼性を発揮したことを本当にうれしく思う」
「我々にとっては素晴らしい状況だが、まだ長い距離が残っているので、明日も厳しい1日になるだろう。4台とも最後まで走り切ってくれたらもちろん最高ですが、このラリーでは最後まで何が起きるかわからない」
「自分たちができる限りの仕事をした上で、いい結果が得られることを祈るしかないんだ」
サファリ・ラリー・ケニアの競技最終日となる26日(日)は、サービスパークの南側で3本のステージを各2回走行する。このうちSS15と再走ステージのSS18“ナラシャ”新ステージだ。また、最終SS19“ヘルズゲート2”は、ステージトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが付与されるパワーステージとなっている。計6本のSS合計距離は82.70km、リエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は358kmだ。