リンク&コーが突然の『WTCR即時撤退』を表明。WSC統括ロッティ代表「何の根拠も見つけられない」

 8月5~7日にフランス・アルザス地方に位置するアノー・デュ・ハンで開催された2022年WTCR世界ツーリングカー・カップ第7戦を前に、昨季のチャンピオンチームでもあるリンク&コー・シアン・レーシングがシリーズで使用されているグッドイヤーのコントロールタイヤに関する安全性の懸念が継続しているとして「今季WTCRプログラムの即時中止」と撤退をアナウンスした。これに対し、TCR規定を統括するWSCグループ代表のマルチェロ・ロッティや、シリーズプロモーターを務めるディスカバリー・スポーツイベント、そしてシリーズディレクターのジャン-バティスト・レイら関係者から驚きと疑念の声が数多く挙がっている。

 5月に開催されたドイツ・ニュルブルクリンクでの第2戦に端を発したこの問題は、ノルドシュライフェで走行を開始したホンダやリンク&コー陣営を中心に、タイヤの予期せぬパンクや層間剥離のような症状が頻発し、予選までを実施した段階でレース開催自体がキャンセルされる緊急事態となった。

アウディのマグナス、ヒョンデのアズコナが勝利。リンク&コー陣営はBoPに不満爆発/WTCR第4戦

 6月25~26日にスペインのモーターランド・アラゴンで開催されたWTCR世界ツーリングカー・カップの第4戦、実質的な第3戦は、予選ポールポジションを獲得したジル・マグナス(コムトゥユー・チーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が、ロブ・ハフ(ゼングー・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)からの猛攻を凌ぎ“ライト・トゥ・フラッグ”でシーズン初勝利を達成。続くレース2はセーフティカー(SC)も発動する波乱のなか、ミケル・アズコナ(BRCヒョンデN スクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR)が地元戦を制し、今季3勝目を手にしている。

 7月頭のポルトガル・ヴィラレアル市街地ラウンドを控え、イベリア半島初戦となった第4戦は、週末の予報で気温30℃超えが予想されるなど、世界的な猛暑による過酷なコンディションでのレースが想定された。

ヒョンデのアズコナが2勝目。ハフとの激闘を制したリンコ&コーのウルティアも勝利/WTCR第3戦

 6月11~12日にハンガロリンクで開催されたWTCR世界ツーリングカー・カップ第3戦は、ミケル・アズコナ(BRCヒョンデN・スクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR)が週末オープニングのレース1をポール・トゥ・ウインで制し、今季2勝目を獲得。続くレース2ではリバースポールのサンティアゴ・ウルティア(シアン・パフォーマンス・リンコ&コー/リンク&コー03 TCR)が、ロブ・ハフ(ゼングー・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)らの猛攻を凌ぎ切り、今季初勝利を手にした。