リンク&コー撤退余波の続く全12台の争いは、アウディのベルトン、クプラのハフが勝利/WTCR第7戦

 8月5~7日にシリーズ初開催地となるフランス・アルザス地方アノー・デュ・ハンで実施された2022年WTCR世界ツーリングカー・カップ第7戦は、既報のとおり、リンク&コー・シアン・レーシングが「今季WTCRプログラムの即時中止」を決め、シリーズ撤退の激震とその余波に揺れるなか全12台で争われた。そのオープニングヒートではナサニエル・ベルトン(コムトゥユー・DHLチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が、続くレース2をロブ・ハフ(ゼングー・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が制し、かつての世界選手権王者は今季2勝目を飾っている。

 シリーズの前身と言えるWTCC世界ツーリングカー選手権時代からチャンピオンシップを代表するドライバーとして活躍し、キャリア通算4度の世界王者に輝く“帝王”イヴァン・ミューラー(シアン・レーシング・リンク&コー/リンク&コー03 TCR)と、その甥っ子として“王家の血統”を受け継ぎシリーズ連覇を果たすヤン・エルラシェール(シアン・レーシング・リンク&コー/リンク&コー03 TCR)にとっては、このアルザス地方こそが「ファミリーの故郷」として、凱旋レースを戦う待望の機会となるはずだった。

ダールグレンが圧巻の“ハットトリック”達成で通算50勝到達。来季『NXT Gen Cup』概要も/STCC第3戦

 7月22~23日にスウェーデン南部ヘルシンボリ近郊に位置するリング・クヌットストープで争われた、2022年のSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権第3戦は、予選ラップレコードを更新した王者ロバート・ダールグレン(PWRレーシング/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が、週末3ヒート全制覇の“ハットトリック”を達成。

 またSTCCシリーズは、来季2023年より「世界初のフル電動ツーリングカーによる国内選手権」へと変貌する新生チャンピオンシップに併せて、サポートクラスとして開催される世界初の完全電動ジュニア・ツーリングカー・カップ『NXT Gen Cup』の概要もアナウンスしている。

アウディのマグナス、ヒョンデのアズコナが勝利。リンク&コー陣営はBoPに不満爆発/WTCR第4戦

 6月25~26日にスペインのモーターランド・アラゴンで開催されたWTCR世界ツーリングカー・カップの第4戦、実質的な第3戦は、予選ポールポジションを獲得したジル・マグナス(コムトゥユー・チーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が、ロブ・ハフ(ゼングー・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)からの猛攻を凌ぎ“ライト・トゥ・フラッグ”でシーズン初勝利を達成。続くレース2はセーフティカー(SC)も発動する波乱のなか、ミケル・アズコナ(BRCヒョンデN スクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR)が地元戦を制し、今季3勝目を手にしている。

 7月頭のポルトガル・ヴィラレアル市街地ラウンドを控え、イベリア半島初戦となった第4戦は、週末の予報で気温30℃超えが予想されるなど、世界的な猛暑による過酷なコンディションでのレースが想定された。

豪雨と“物議”の週末は、アウディのヒューゴ・ネルマンが連勝。王者も最終ヒートを制覇/STCC第2戦

 6月17~18日にシェレフテオのドライブセンター・アリーナで争われたSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権第2戦は、一時はジャンプスタートの裁定で優勝を逃していたヒューゴ・ネルマン(ブリンク・モータースポーツ/アウディRS3 LMS 2)が、直後の処分取り消しからレース2も制覇する“いわくつき”の連勝を達成。最終ヒートは王者ロバート・ダールグレン(PWRレーシング/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が65kgものバラストを搭載しながら勝利を飾っている。

新鋭カエハスが初優勝。東欧チームのガラシュもシリーズ初勝利を1-2で飾る/TCRヨーロッパ第3戦

 6月18~19日にベルギーのスパ・フランコルシャンで争われた2022年TCRヨーロッパ・シリーズ第3戦は、両ヒートともに新鋭が初優勝を記録するフレッシュな展開に。土曜オープニングは選手権首位のフランコ・ジロラミ(コムトゥユーPSSチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が、ポール発進からの最終ラップで痛恨のミスを喫し、予選最速を争ったイシドロ・カエハス(ボルケーノ・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が大逆転劇でのTCRヨーロッパ初勝利を獲得。

 続く日曜リバースグリッドのレース2では、チェコ共和国出身のヤヒム・ガラシュ(ヤニク・モータースポーツ/ヒョンデ・エラントラN TCR)が自身初表彰台を勝利で飾り、僚友マット・オモラとともに東欧の小規模プライベーターがシリーズ初のワン・ツーフィニッシュを決めている。

ヒョンデのアズコナが2勝目。ハフとの激闘を制したリンコ&コーのウルティアも勝利/WTCR第3戦

 6月11~12日にハンガロリンクで開催されたWTCR世界ツーリングカー・カップ第3戦は、ミケル・アズコナ(BRCヒョンデN・スクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR)が週末オープニングのレース1をポール・トゥ・ウインで制し、今季2勝目を獲得。続くレース2ではリバースポールのサンティアゴ・ウルティア(シアン・パフォーマンス・リンコ&コー/リンク&コー03 TCR)が、ロブ・ハフ(ゼングー・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)らの猛攻を凌ぎ切り、今季初勝利を手にした。