タイヤトラブル続発、酷暑の電動戦はアズコナが移籍後初の“キング・オブ・ザ・ウイークエンド”を獲得/ETCR第5戦

 7月22~24日の週末にWTCR世界ツーリングカー・カップ第6戦との併催イベントとして開催された電動ツーリングカー選手権、FIA ETCRことeツーリングカー・ワールドカップの第5戦は、同じくヨーロッパを覆う熱波による酷暑が影響し、タイヤのパンクやトレッド剥離が頻発。アルファロメオ・ジュリアETCRを走らせるロメオ・フェラーリ陣営は、ブルーノ・シュペングラー(アルファロメオ・ジュリアETCR)の大クラッシュを受け最終的にファイナルを棄権する事態となった。

 そんななか、内燃機関搭載ツーリングカーよりハイパワーな後輪駆動マシンを宥め透かし、今季よりヒョンデ・モータースポーツNから参戦するミケル・アズコナ(ヒョンデ・ヴェロスターN ETCR)が、移籍後初の週末最多得点者“King of the Weekend(キング・オブ・ザ・ウイークエンド)”を獲得している。

アルファロメオのマキシム・マルタン、地元ベルギー戦で待望のシリーズ初優勝/ETCR第4戦

 約1カ月のインターバルを経て、7月9~10日にベルギーのゾルダーで争われた電動ツーリングカー選手権FIA ETCRことeツーリングカー・ワールドカップの第4戦は、今季よりロメオ・フェラーリからシリーズデビューを果たしたマキシム・マルタン(アルファロメオ・ジュリアETCR)が、地元イベントで初の週末最多得点者“King of the Weekend”を獲得。金曜プラクティスではジュリアのバッテリートラブルにより、大幅に走行機会を制限されていた男が、地の利も活かし「家族の前で魔法のように素晴らしい瞬間」を迎えた。

 第2戦の開催予定だったイスタンブール・パークが急きょスキップされ、ハンガロリンク、スペインのハラマに続く実質的第4戦となったゾルダーでの『レースBE』は、開幕序盤から続いた新生クプラEKSの勢いに待ったを掛ける、シリーズ変換点の1戦となった。

地元戦をクプラ陣営が制圧。キング・オブ・ウイークエンドはエクストロームの手に/ETCR第3戦

 バック・トゥ・バックの連戦として、6月17~19日にスペインのハラマで開催されたFIA ETCR第3戦は、地元マニュファクチャラーのクプラ陣営が強さを発揮。今季デビューを飾った新生クプラEKSのチーム代表兼エースドライバーのマティアス・エクストローム(クプラe-Racer)が週末最多得点者“King of the Weekend”を獲得し、僚友のエイドリアン・タンベイ(クプラe-Racer)、ジョルディ・ジェネ(クプラe-Racer)も脇を固めるなど、好調クプラが開幕3連勝を飾っている。

 本来の第2戦を開催予定だったイスタンブール・パークが急きょスキップされたことを受け、前週に実質第2戦として開催されたハンガロリンクと連戦になったスペイン・ラウンドは、マドリード近郊からハラマの地域一帯が猛暑に見舞われ、トラック至近を流れるハラマ川の気温は40℃を超えると予想された。

DTM経験者が揃い踏み。エクストローム、マルタンを抑えたタンベイが初優勝/ETCR第3戦ハンガリー

 5月20~22日の週末に予定されていた第2戦イスタンブール・パークが土壇場で延期され、スライドの第2戦として6月10~12日に開催されたETRCハンガロリンク戦は、今季デビューを飾った新生クプラEKSのエイドリアン・タンベイ(クプラe-Racer)が、僚友兼チーム代表のマティアス・エクストローム(クプラe-Racer)や、同じく今季初参戦のマキシム・マルタン(アルファロメオ・ジュリアETCR)らを降してシリーズ初優勝。奇しくもDTMドイツ・ツーリングカー選手権経験者らが上位を独占する結果となった。

2021年EuroRX1王者のバッケルド、EKSのアウディで北欧2戦に復帰。クリストファーソンも並行参戦へ

 WorldRX世界ラリークロス選手権の登竜門でもあるFIAヨーロピアン・ラリークロス・チャンピオンシップ(EuroRX1)で、2021年にチャンピオンを獲得したアンドレアス・バッケルドが、今季も同クラスでの「未完のビジネス」完遂に向け始動。自身が3年前にもステアリングを握ったアウディS1 EKS RXクワトロで、第2戦のスウェーデンと第3戦の地元ノルウェー戦に出場すると表明した。

 また、WorldRXで4度のタイトル獲得経験を持つ“絶対王者”ヨハン・クリストファーソンも、電動化初年度を前に地元の“聖地”ホーリエス戦で内燃機関搭載の愛機フォルクスワーゲン・ポロGTIをドライブし、強豪25台が集結するEuroRX1でのひと暴れを誓った。