ポルシェ、プジョー、BMWにフェラーリ……マシンも続々と公開。大盛況の『ハイパーカー』『LMDh』参入状況まとめ

 6月24日にはポルシェが新型LMDh車両『ポルシェ963』を正式発表。来る7月10日には新型LMH(ル・マン・ハイパーカー)『プジョー9X8』がいよいよレースデビューを飾る。

 さらに6月のル・マン・ウイークには、BMWやアキュラ、キャデラックが続々と新型プロトタイプ車両に関連した発表を行うなど、ここへ来て未来に向けた動きが一気に加速しているスポーツカー界。この記事では、LMH/LMDh車両を開発しているメーカー、その参戦カテゴリー、判明している体制など、2022年6月末時点での情報をまとめる。

 その前に、まずは現在〜未来の、スポーツプロトタイプのトップカテゴリーの規則について、簡単におさらいしておこう。

僅差の戦いが続いたトヨタ。7号車のトラブルまで「互いに必死でプッシュ」/ル・マン24時間

 2022年のル・マン24時間レースを制したTOYOTA GAZOO Racingのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは、同レースでトップ争いを演じた2台のトヨタGR010ハイブリッドのバトルは「非常にタイト」であり、小林可夢偉組の7号車にトラブルが発生し勝負を決定づけるまで、互いが優位に立とうと「必死でプッシュしていた」と語った。

 同氏はトヨタがル・マン5連覇を達成した後、2台のトヨタGR010ハイブリッドの戦いは、電気モーターに関連するトラブルで7号車が姉妹車の8号車から数分の差をつけられてしまうまで、激しく互角の戦いをしていたと述べた。

ル・マン初優勝の平川亮「まだ夢が叶ったという実感がありません」トヨタは5連覇達成

 6月11日から12日にかけてフランス、ル・マンのサルト・サーキットでWEC世界耐久選手権第3戦/第90回ル・マン24時間レースの決勝レースが行われ、トヨタGR010ハイブリッドでハイパーカークラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racingがワン・ツー・フィニッシュを達成し、ル・マン5連覇を果たした。

 セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名が乗り込む8号車トヨタGR010ハイブリッドは、ポールポジションからレースをスタートし完璧なレース運びで380周を走破。12日(日)現地16時、スタンドを埋め尽くした熱狂的なファンが見守る中、総合トップでチェッカーフラッグを受けた。