BMWのLMDh車両、バルセロナとアラゴンで走行後に渡米。セブリングでの24時間テストに参加へ

 BMWが開発中のLMDh車両『BMW M ハイブリッド V8』は、2023年にIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスに、そして2024年にはWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスへと参戦する。

 2023年1月、IMSA開幕戦デイトナ24時間レースでのデビューへ向け、7月にはシャシーパートナーであるダラーラ社があるイタリア・バラーノでシェイクダウンを行ったことを明らかにしているが、陣営はこのあと、スペインのバルセロナ・カタルーニャサーキットと、モーターランド・アラゴンでテスト走行を行い、その後M ハイブリッドV8を米国へと送り込む予定だという。

BMWがチームWRTとの契約を発表。LMDh車両で2024年WECハイパーカークラスに参戦へ

 BMWは8月2日、2024年のWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスにおいて、チームWRTがBMWのファクトリーLMDhプログラムを運営すると発表した。

 この日の朝、チームWRTは13年にわたり手を組んできたアウディとの提携終了を発表していた。WRTは新たにBMWと契約を結び、現在開発中の『BMW MハイブリッドV8』をWECに投入、シリーズ制覇とル・マン24時間レースでの総合優勝を目指すことになる。

 なお、WRTがLMDh契約に付随して、GTのレースプログラムもBMW M4 GT3へと移行させるかどうかは未定となっている。

BMW、2024年にWEC/ル・マン復帰へ。来季デビュー新型LMDhのシェイクダウンも完了

 7月26日、BMWは、2024年からWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに新型LMDhマシンで参戦することを確認した。また、あわせて2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でデビューし、2年目にはWEC/ル・マン24時間にも投入する『BMW MハイブリッドV8』のシェイクダウンをイタリア、バラーノで実施したことを明らかにした。

 ドイツのメーカーがル・マン24時間レースの総合優勝を目指すためのWECプログラムは、数カ月前から評価が行われてきた。

LMDh&GT3化で予想される”グリッド争奪戦”「ACOの采配が気になる」【BMWモータースポーツ代表に聞く/後編】

 去る6月6日、2023年デビュー予定の新型LMDh車両『BMW M ハイブリッドV8』を正式発表したBMW。彼らはチームRLLと組みワークス車両2台体制でIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスへの参戦を予定している。

 現在噂されているWEC世界耐久選手権への参戦可能性を中心に聞いたインタビュー前編に続き、この後編ではBMWモータースポーツのアンドレアス・ルース代表に、LMDhの参戦体制やドライバー起用、WECのGTクラスの“GT3化”などについて聞く。

LMDh車両でのWEC参戦は「明言できない」2023年はワークス活動に集中へ【BMWモータースポーツ代表に聞く/前編】

 2022年のル・マン24時間レース開催期間中の6月6日に、2023年デビュー予定の新型LMDh車両『BMW M ハイブリッドV8』を正式発表したBMW。彼らは当初より、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスへの参戦を明言していたが、ル・マンのパドックもこのBMWの発表には大いに沸いた。

 当然ながら、今後はル・マン24時間含むWEC世界耐久選手権への参戦もあるのではないか? という噂も、ル・マンで飛び交っていた。そのあたりの現状を含め、後日ミュンヘンのBMWモータースポーツで、アンドレアス・ルース代表に話を聞いた。

 なお、ルース氏は2021年9月までアウディスポーツのワークスチームのプロジェクトマネージャーを務め、LMP1やDTMのワークス活動の総括等、アウディスポーツの幹部として長年勤務していた人物である。

BMW、LMDh車両『M ハイブリッドV8』のエンジン画像を公開。共通MGUにはポルシェ同様トラブルも

 7月14日、BMWは2023年にデビュー予定の新型LMDh車両『BMW M ハイブリッドV8』に搭載されるエンジン『P66/3』の画像を公開、合わせて開発状況を明らかにした。

 6月6日にその外観などが正式発表されているBMW M ハイブリッドV8は7月末にヨーロッパで走行テストを開始し、その後アメリカに移ってデビュー戦となるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦のデイトナ24時間に向けて準備を重ねることになる。

■クラス1エンジンの流用は“耐久性”で断念

ポルシェ、プジョー、BMWにフェラーリ……マシンも続々と公開。大盛況の『ハイパーカー』『LMDh』参入状況まとめ

 6月24日にはポルシェが新型LMDh車両『ポルシェ963』を正式発表。来る7月10日には新型LMH(ル・マン・ハイパーカー)『プジョー9X8』がいよいよレースデビューを飾る。

 さらに6月のル・マン・ウイークには、BMWやアキュラ、キャデラックが続々と新型プロトタイプ車両に関連した発表を行うなど、ここへ来て未来に向けた動きが一気に加速しているスポーツカー界。この記事では、LMH/LMDh車両を開発しているメーカー、その参戦カテゴリー、判明している体制など、2022年6月末時点での情報をまとめる。

 その前に、まずは現在〜未来の、スポーツプロトタイプのトップカテゴリーの規則について、簡単におさらいしておこう。