ウォールに大クラッシュも4位入賞。アキュラARX-05の耐久性をオリバー・ジャービスが賞賛/IMSA

 ロード・アメリカで8月7日に行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第10戦『IMSAファストレーン・スポーツカー・ウイークエンド』の決勝終盤、順位争いのなかでコース脇のウォールにノーズからハードヒットしたメイヤー・シャンク・レーシングのオリバー・ジャービスは、ダメージを負ったマシンで4位フィニッシュを果たしたあと、アキュラARX-05の耐久性を賞賛した。また、ライバル陣営からも、アクシデント後も走行を続けたマシンに驚きの声が上がっている。

BMWのLMDh車両、バルセロナとアラゴンで走行後に渡米。セブリングでの24時間テストに参加へ

 BMWが開発中のLMDh車両『BMW M ハイブリッド V8』は、2023年にIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスに、そして2024年にはWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスへと参戦する。

 2023年1月、IMSA開幕戦デイトナ24時間レースでのデビューへ向け、7月にはシャシーパートナーであるダラーラ社があるイタリア・バラーノでシェイクダウンを行ったことを明らかにしているが、陣営はこのあと、スペインのバルセロナ・カタルーニャサーキットと、モーターランド・アラゴンでテスト走行を行い、その後M ハイブリッドV8を米国へと送り込む予定だという。

WTRアキュラ、雨混じりのレースを制し今季4勝目。MSRはクラッシュで選手権首位陥落/IMSA第10戦

 6月7日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第10戦『IMSAファストレーン・スポーツカー・ウイークエンド』の決勝レースがアメリカ、ウィスコンシン州のロード・アメリカで行われ、コニカミノルタ・アキュラARX-05(ウェイン・テイラー・レーシング)のリッキー・テイラー/フィリペ・アルバカーキ組10号車アキュラARX-05が総合優勝を飾った。

 2017年にデビューしたDPiカーが参加するレースも残すはあと2戦。シーズン終盤、DPiラストイヤーのチャンピオンシップを占ううえでも重要な1戦は、気温22度/路面温度25度、非常に細かな雨が落ちるなか、ドライコンディションで2時間40分レースのスタートが切られた。

IMSA、2023年シーズンスケジュールを発表。GTP元年はインディナポリスを含む計11戦に

 ウェザーテック・スポーツカー選手権を運営するIMSAは8月5日、2023年シーズンのスケジュールを発表。この中で年間11のイベントの開催と、ミド・オハイオならびにデトロイト戦がカレンダーから外れることが確認された。

 ロード・アメリカで5日金曜に行われた“ステート・オブ・ザ・スポーツ”の演説でアナウンスされたこのスケジュールは、DPiに代わって次世代プロトタイプ・フォーミュラであるLMDhカーで争われる、新たな最高峰カテゴリーのGTPクラスを筆頭に、計5クラスすべてが参加する6つのイベントが含まれている。

キャデラックLMDhは「すでにDPiと近いレベル」とブルデー。開発初期テストでの感触に好印象

 チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)のセバスチャン・ブルデーは、現在キャデラック陣営が開発している新型LMDhマシンが「すでに(現行レースカーと同じ)ウインドウにいる」と感じており、車重の増加とハイブリッドパワーという違いがあるにもかかわらず、キャデラックDPi-V.Rと大きな違いが感じられないことを認めた。

 CGRから2022年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権DPiクラスに参戦しているブルデーは先月、セブリング・インターナショナル・レースウェイで行われたダラーラ製プロトタイプカーの開発テストに参加。そこで実際にマシンを走らせた彼は、まだ開発の初期段階であるにもかかわらず、ポジティブな印象を受けたという。

インディアナポリス戦の2023年復活が正式決定。インフィールドでは“初の試み”も/IMSA

 北米でスポーツカーレースを統括するIMSAは7月29日、2023年9月17日にアメリカ・インディアナ州のインディアナポリス・モータースピードウェイ(IMS)で、ウェザーテック・スポーツカー選手権のレースを開催すると正式発表した。イベント名称は『IMSA・バトル・オン・ザ・ブリックス』となり、2時間40分のウェザーテック選手権のレースのほか、IMSAミシュラン・パイロット・チャレンジの4時間レースが行われる。

 このイベントは、ロジャー・ペンスキーがIMSを買収したときから検討されていたもので、2023年のウェザーテック選手権カレンダーではミド・オハイオに代わるものと理解されているが、カレンダーの全容はまだ公表されていない。

BMW、2024年にWEC/ル・マン復帰へ。来季デビュー新型LMDhのシェイクダウンも完了

 7月26日、BMWは、2024年からWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに新型LMDhマシンで参戦することを確認した。また、あわせて2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でデビューし、2年目にはWEC/ル・マン24時間にも投入する『BMW MハイブリッドV8』のシェイクダウンをイタリア、バラーノで実施したことを明らかにした。

 ドイツのメーカーがル・マン24時間レースの総合優勝を目指すためのWECプログラムは、数カ月前から評価が行われてきた。

LMDh&GT3化で予想される”グリッド争奪戦”「ACOの采配が気になる」【BMWモータースポーツ代表に聞く/後編】

 去る6月6日、2023年デビュー予定の新型LMDh車両『BMW M ハイブリッドV8』を正式発表したBMW。彼らはチームRLLと組みワークス車両2台体制でIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスへの参戦を予定している。

 現在噂されているWEC世界耐久選手権への参戦可能性を中心に聞いたインタビュー前編に続き、この後編ではBMWモータースポーツのアンドレアス・ルース代表に、LMDhの参戦体制やドライバー起用、WECのGTクラスの“GT3化”などについて聞く。

アンドレア・カルダレッリとミルコ・ボルトロッティがランボルギーニLMDhドライバーに選出

 ランボルギーニは7月21日、2024年からWEC世界耐久選手権と、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦するLMDh車両のドライバーとして、アンドレア・カルダレッリとミルコ・ボルトロッティの名前を発表した。

 ふたりのイタリア人ドライバーは、長年ランボルギーニ・スクアドラ・コルセのファクトリードライバーとして世界中のカテゴリーで活動しており、近年のランボルギーニ・ウラカンGT3の成功に極めて重要な役割を担ってきた。

LMDh車両でのWEC参戦は「明言できない」2023年はワークス活動に集中へ【BMWモータースポーツ代表に聞く/前編】

 2022年のル・マン24時間レース開催期間中の6月6日に、2023年デビュー予定の新型LMDh車両『BMW M ハイブリッドV8』を正式発表したBMW。彼らは当初より、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスへの参戦を明言していたが、ル・マンのパドックもこのBMWの発表には大いに沸いた。

 当然ながら、今後はル・マン24時間含むWEC世界耐久選手権への参戦もあるのではないか? という噂も、ル・マンで飛び交っていた。そのあたりの現状を含め、後日ミュンヘンのBMWモータースポーツで、アンドレアス・ルース代表に話を聞いた。

 なお、ルース氏は2021年9月までアウディスポーツのワークスチームのプロジェクトマネージャーを務め、LMP1やDTMのワークス活動の総括等、アウディスポーツの幹部として長年勤務していた人物である。