IMSA、2023年シーズンスケジュールを発表。GTP元年はインディナポリスを含む計11戦に

 ウェザーテック・スポーツカー選手権を運営するIMSAは8月5日、2023年シーズンのスケジュールを発表。この中で年間11のイベントの開催と、ミド・オハイオならびにデトロイト戦がカレンダーから外れることが確認された。

 ロード・アメリカで5日金曜に行われた“ステート・オブ・ザ・スポーツ”の演説でアナウンスされたこのスケジュールは、DPiに代わって次世代プロトタイプ・フォーミュラであるLMDhカーで争われる、新たな最高峰カテゴリーのGTPクラスを筆頭に、計5クラスすべてが参加する6つのイベントが含まれている。

キャデラックLMDhは「すでにDPiと近いレベル」とブルデー。開発初期テストでの感触に好印象

 チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)のセバスチャン・ブルデーは、現在キャデラック陣営が開発している新型LMDhマシンが「すでに(現行レースカーと同じ)ウインドウにいる」と感じており、車重の増加とハイブリッドパワーという違いがあるにもかかわらず、キャデラックDPi-V.Rと大きな違いが感じられないことを認めた。

 CGRから2022年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権DPiクラスに参戦しているブルデーは先月、セブリング・インターナショナル・レースウェイで行われたダラーラ製プロトタイプカーの開発テストに参加。そこで実際にマシンを走らせた彼は、まだ開発の初期段階であるにもかかわらず、ポジティブな印象を受けたという。

インディアナポリス戦の2023年復活が正式決定。インフィールドでは“初の試み”も/IMSA

 北米でスポーツカーレースを統括するIMSAは7月29日、2023年9月17日にアメリカ・インディアナ州のインディアナポリス・モータースピードウェイ(IMS)で、ウェザーテック・スポーツカー選手権のレースを開催すると正式発表した。イベント名称は『IMSA・バトル・オン・ザ・ブリックス』となり、2時間40分のウェザーテック選手権のレースのほか、IMSAミシュラン・パイロット・チャレンジの4時間レースが行われる。

 このイベントは、ロジャー・ペンスキーがIMSを買収したときから検討されていたもので、2023年のウェザーテック選手権カレンダーではミド・オハイオに代わるものと理解されているが、カレンダーの全容はまだ公表されていない。

キャデラックLMDhをテストしたバン・デル・ザンデ「走りとラップ数にポジティブな驚き」

 ポルシェ963とキャデラック・プロジェクトGTPハイパーカーが参加した初のLMDhグループテストで、後者のステアリングを握ったランガー・バン・デル・ザンデは、ダラーラ製シャシーがベースとなっている新型LMDhマシンについて、「1メートルごとにドライブビングを楽しんでいる」と語った。

 このオランダ人ドライバーは、チップ・ガナッシ・レーシングのアール・バンバー、アレックス・リン、セバスチャン・ブルデーとともに、フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで5日間にわたって実施されたテストに参加し、LMDhメーカー間の初のグループ走行でキャデラックのマシンを走らせた。

ポルシェとキャデラックが参加予定。LMDh初のグループテスト、セブリングで実施へ

 アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイにおいて今週、2メーカーのLMDhマシンが同トラックでグループテストを実施し、プロトタイプスポーツカーの新たな歴史が作られようとしている。

 2023年のWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両方にデビューする、ポルシェ963とキャデラック・プロジェクトGTPハイパーカーは、歴史的なフロリダのサーキットで数日間にわたって行われるグループテストに参加する予定だ。これはドイツのメーカーにとってLMDhカーで初めてアメリカの地を踏み、キャデラックにとってはダラーラ製の新型車で重要なマイレージを重ねることを意味する。

アリー・キャデラックはデイトナ不参加が濃厚。AXRのワークス昇格により小林可夢偉らの起用も困難に

 アクション・エクスプレス・レーシング(AXR)のチームマネージャーであるゲイリー・ネルソンは、同チームが来年1月のロレックス・デイトナ24時間にキャデラックの新型LMDhを2台投入する可能性は低いと語った。  2021 …

ポルシェ963のカスタマー“拡大枠”入りを狙うパフ・モータースポーツ「ハイブリッドのコストに不安」/IMSA

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDプロクラスで、ポルシェ911 GT3 Rを走らせているパフ・モータースポーツは、ポルシェが開発中のLMDh車両『963』を用いた将来のGTPクラスでのプログラムが「レー …

ハイブリッド化とLMHの参加で複雑化するBoP。IMSAが取り組むプロセスの活性化と新ツールの導入

 IMSAのテクニカルディレクターを務めるマット・クルドックは、ウェザーテック・スポーツカー選手権を運営する同団体が、LMHル・マン・ハイパーカーとLMDhプラットフォームのクルマを近いレベルで戦わせるために、BoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)プロセスの活性化と新しいツールの導入に取り組んでいると語った。

 今季限りで終了するDPiクラス入れ替わるかたちで、2023年に新設されるウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスは、LMDhと2021年からWEC世界耐久選手権のトップカテゴリーで採用されているLMHの両方の規定にオープンであるが、最初のシーズンはLMDhのルールに沿って制作された車両のみが登場する予定であり、現在までにアキュラ、BMW、キャデラック、ポルシェが新型マシンでの参戦を表明している。