ポルシェのマコウィッキが語るLMDhと日欧レース比較。かつての盟友・山本尚貴には「ル・マンで待ってるよ!」

 2022年のWEC世界耐久選手権第3戦ル・マン24時間レースで、悲願のクラス優勝を達成したフレデリック・マコウィッキ。LMGTEプロクラスにポルシェGTチーム91号車ポルシェ911 RSR-19をドライブして参戦し、レギュラードライバーのジャンマリア・ブルーニ、リヒャルト・リエツとともに、激戦のクラスを制した。

 ポルシェはクラス消滅に伴い今季限りでLMGTEプロでの活動を終了、2023年からはWECおよびIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でのLMDhプログラムに、ワークス活動が移行する。マコウィッキもLMDh車両『ポルシェ963』の開発テストドライバーを務めるなど、多忙なスケジュールをこなしている。

ポルシェとキャデラックが参加予定。LMDh初のグループテスト、セブリングで実施へ

 アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイにおいて今週、2メーカーのLMDhマシンが同トラックでグループテストを実施し、プロトタイプスポーツカーの新たな歴史が作られようとしている。

 2023年のWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両方にデビューする、ポルシェ963とキャデラック・プロジェクトGTPハイパーカーは、歴史的なフロリダのサーキットで数日間にわたって行われるグループテストに参加する予定だ。これはドイツのメーカーにとってLMDhカーで初めてアメリカの地を踏み、キャデラックにとってはダラーラ製の新型車で重要なマイレージを重ねることを意味する。

ポルシェ963のカスタマー“拡大枠”入りを狙うパフ・モータースポーツ「ハイブリッドのコストに不安」/IMSA

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDプロクラスで、ポルシェ911 GT3 Rを走らせているパフ・モータースポーツは、ポルシェが開発中のLMDh車両『963』を用いた将来のGTPクラスでのプログラムが「レー …

ポルシェ、プジョー、BMWにフェラーリ……マシンも続々と公開。大盛況の『ハイパーカー』『LMDh』参入状況まとめ

 6月24日にはポルシェが新型LMDh車両『ポルシェ963』を正式発表。来る7月10日には新型LMH(ル・マン・ハイパーカー)『プジョー9X8』がいよいよレースデビューを飾る。

 さらに6月のル・マン・ウイークには、BMWやアキュラ、キャデラックが続々と新型プロトタイプ車両に関連した発表を行うなど、ここへ来て未来に向けた動きが一気に加速しているスポーツカー界。この記事では、LMH/LMDh車両を開発しているメーカー、その参戦カテゴリー、判明している体制など、2022年6月末時点での情報をまとめる。

 その前に、まずは現在〜未来の、スポーツプロトタイプのトップカテゴリーの規則について、簡単におさらいしておこう。

ポルシェ963、カスタマー車両は2023年開幕に間に合わない可能性。1台のコストは“約4億円”と判明

 ポルシェ・モータースポーツ・ノースアメリカ社長兼CEOのフォルカー・ホルツマイヤーは、JDCミラー・モータースポーツのポルシェ963のデビューレースについて「疑問符がつく」としており、カスタマーカーはシリーズ開幕戦に間に合わず、2023年シーズン途中に準備が整ってから展開される可能性が浮上している。

ポルシェ963のカスタマーチームが相次ぎ発表。WECではJOTAがステップアップ、IMSAではキャデラックから“鞍替え”

 6月24日に正式発表されたポルシェの新型LMDh車両『963』。2023シーズンは既報のとおり、ファクトリーチームの“ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ”がWEC世界耐久選手権に2台、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に2台をエントリーさせるが、この4台の他に963を走らせるカスタマーチームが、相次いで発表されている。

ポルシェのLMDh車両『963』の名称にファン歓喜。スポーツカー史上に残る名車『962/962C』とは

 6月24日、ポルシェは2023年のWEC世界耐久選手権/IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に投入する予定のLMDh車両について、そのカラーリングと体制、そして車名を発表した。その名も『963』と名付けられた車名には、世界中のスポーツカーファンから歓喜の声がSNS上にあふれている。伝説的モデルの「レガシーを引き継ぐ存在」として名付けられた車名だが、1980年代から90年代まで世界中のスポーツカーレースを牽引した『962/962C』を引き継ぐ番号だからに他ならない。登場から40年が経ち、いまや962/962Cの活躍をご存じないファンも多いはず。簡単ではあるが、おさらいしておこう。