LMDh車両でのWEC参戦は「明言できない」2023年はワークス活動に集中へ【BMWモータースポーツ代表に聞く/前編】

 2022年のル・マン24時間レース開催期間中の6月6日に、2023年デビュー予定の新型LMDh車両『BMW M ハイブリッドV8』を正式発表したBMW。彼らは当初より、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスへの参戦を明言していたが、ル・マンのパドックもこのBMWの発表には大いに沸いた。

 当然ながら、今後はル・マン24時間含むWEC世界耐久選手権への参戦もあるのではないか? という噂も、ル・マンで飛び交っていた。そのあたりの現状を含め、後日ミュンヘンのBMWモータースポーツで、アンドレアス・ルース代表に話を聞いた。

 なお、ルース氏は2021年9月までアウディスポーツのワークスチームのプロジェクトマネージャーを務め、LMP1やDTMのワークス活動の総括等、アウディスポーツの幹部として長年勤務していた人物である。

完走から10カ月、ふたたびル・マンを訪れた青木拓磨「僕にとって特別な場所。またレースに出たい」

 1998年にテスト走行中に起きた不慮の事故により脊髄損傷を負い、下半身不随になるという悲劇に襲われるも、翌年にはホンダ・レーシングの二輪の助監督として車椅子で復帰。その後も不屈の精神で四輪レーサーとしての夢を追い続け、世界で活躍し続ける一方で、バイクや自動車の楽しさを伝えるべく、日本各地を精力的に飛び回る多忙な日々を送る青木拓磨。

 2021年にはついに長年の夢であり、念願だったル・マン24時間レースにイノベーティブカークラスから初参戦し、ハンドドライブ仕様のLMP2カーを駆り完走を遂げたシーンはまだ記憶に新しい。そんな彼が今年6月に開催されたル・マンのパドックに車椅子を軽快に操ってふたたび姿を現したとあり、改めてル・マンへの想いを聞いた。

キャデラックLMDhをテストしたバン・デル・ザンデ「走りとラップ数にポジティブな驚き」

 ポルシェ963とキャデラック・プロジェクトGTPハイパーカーが参加した初のLMDhグループテストで、後者のステアリングを握ったランガー・バン・デル・ザンデは、ダラーラ製シャシーがベースとなっている新型LMDhマシンについて、「1メートルごとにドライブビングを楽しんでいる」と語った。

 このオランダ人ドライバーは、チップ・ガナッシ・レーシングのアール・バンバー、アレックス・リン、セバスチャン・ブルデーとともに、フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで5日間にわたって実施されたテストに参加し、LMDhメーカー間の初のグループ走行でキャデラックのマシンを走らせた。

プジョー9X8、WEC富士前にもテスト実施へ。2023年のカスタマーへの供給は「歓迎」

 WEC世界耐久選手権第4戦モンツァ6時間レースで新型ル・マン・ハイパーカー『9X8』をデビューさせたプジョーは、2023年のWECとル・マン24時間レース参戦に向けたカスタマーチームや、追加資金をもたらすスポンサーを「歓迎する」としている。

ポルシェのエストーレ、裁定に不満爆発。同じ違反でも「フェラーリがペナルティを受けないのはいつものこと」/第4戦モンツァ

 WEC世界耐久選手権第4戦モンツァで、レース終盤にAFコルセの51号車フェラーリ488 GTE Evoと印象的なクラス3番手争いを展開したポルシェGTチーム92号車ポルシェ911 RSR-19のケビン・エストーレは、ふたつのアクシデントの責任があるとして科せられたドライブスルーペナルティに対し、不満を露わにした。

ハプスブルク「レース前半のトリプル・スティントが報われた」WRT41号車の勝因語る/WECモンツァ

 WEC世界耐久選手権第4戦『モンツァ6時間』でLMP2クラスのウイナーとなったフェルディナンド・ハプスブルクは、クラス首位を走行中に行なった早めのトリプル・スティントがリアルチーム・バイ・WRTをクラスリーダーから脱落させたが、「長期的には報われた」と語った。

 ハプスブルクはノルマン・ナト、ルイ・アンドラーデとともに、リアルチーム・バイ・WRTの41号車オレカ07・ギブソンを駆り、選手権首位の38号車オレカ07(JOTA)を抑えてクラス優勝を果たしている。

『情報屋』平川亮。グリッケンハウスを襲った予兆なき「壊滅的」トラブル【WECモンツァ決勝後Topics】

 WEC世界耐久選手権の第4戦モンツァ6時間レースは、各クラスとも随所で激しいバトルが繰り広げられる展開となり、最終的にはアルピーヌ・エルフ・チームが今季2回目の総合優勝を遂げた。

 レースは3時間の折り返しを直前に、衝撃的なクラッシュでセーフティカーが導入される展開となった。

アルピーヌの速さに「本当に驚いた」とブエミ。8号車はトラブル時に油圧ブレーキを使用/WECモンツァ

 TOYOTA GAZOO Racingのセバスチャン・ブエミは、WEC世界耐久選手権のハイパーカー・クラスにおけるアルピーヌのフォームが、これまでのところ「非常に読みにくい」と感じている。

 ブエミ、平川亮、ブレンドン・ハートレーのトリオで2022年シーズンを戦う8号車トヨタGR010ハイブリッドは、第4戦モンツァ6時間レースで、アルピーヌA480ギブソンのマシュー・バキシビエール/ニコラ・ラピエール/アンドレ・ネグラオ組に次ぐ総合2位となった。

可夢偉の動きは「ちょっとやりすぎ」と優勝したアルピーヌのバキシビエール/WEC第4戦

 2022年WEC世界耐久選手権第4戦『モンツァ6時間レース』では、LMP1ノンハイブリッド車両でハイパーカークラスに特認参戦しているアルピーヌ・エルフ・チームの36号車アルピーヌA480・ギブソン(アンドレ・ネグラオ/ニコラ・ラピエール/マシュー・バキシビエール)がトップチェッカーを受け、ライバルであるトヨタGR010ハイブリッドの8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)にわずか2.7秒差で勝利した。

 モンツァ戦でアルピーヌ36号車のスタートと最終スティントを担当したバキシビエールは、トヨタとの僅差の争いを「本当に楽しかった」と振り返った。

【ポイントランキング】2022年WEC第4戦モンツァ終了時点

 7月8日から10日にかけてイタリア・ミラノ郊外のモンツァ・サーキットで、WEC世界耐久選手権第4戦『モンツァ6時間』が開催され、日曜に実施された決勝レースにおいて、アルピーヌ・エルフ・チームの36号車アルピーヌA480・ギブソンが、ライバルの8号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)を僅差で破り今季2勝目を挙げた。シーズン後半戦のオープニングとなった同ラウンド終了時点での各選手権ランキングは以下のとおりだ。

■2022年ハイパーカー世界耐久ドライバー選手権(トップ5)